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呪いのビデオシリーズのレビュー・考察など

呪いのビデオ Part 66 レビュー【『66』と内ゲバの呪いに防水パンツ】

今回レビューするのは66巻です。

66というと映画「オーメン」や悪魔崇拝のイメージがあり些か不吉な数列かと思いますが、内容も66に因んだエピソードがメインです。

また、本巻のリリースは奇しくも2016年3月6日というのは偶然なのか…。

 

じゃ、レビューに入ります。

 

 

ぎょうさん

レベル 4.3 / 5

内容

投稿者がインターネットで募集した2人の女性と心霊スポットツアーを行った際に撮影された映像。

パワースポットとして有名な巨石の近くにある古いトンネルで撮影していた際、女性2人の背後に巨大な顔が現れる。

この地域には「ぎょうさん」という顔だけの妖怪伝説があり、死期が近い人間に現れるという。

感想

巨大な顔はかなりインパクトがあり掴みとしては結構なものかと思います。

筆者はメタルバンド・DESTRUCTIONのこのジャケットを連想してしまいましたよ。

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レベル 4.3 / 5

内容

投稿者・小池さんが友人達と自宅で飲んでいた際に撮影された映像。

隣室から女性と思しき喘ぎ声が聞こえてくると、友人たちが壁に耳を澄まし興奮している。すると、自撮り棒を使い、ベランダから隣室の窓を覗いてみる投稿者。

すると隣室に首吊り死体のようなものがあり、喘ぎ声のする方には女性の顔のようなものが映り込んでいた。

また、同時期に小池さんの中学時代の友人・竹下さんが虐めを苦に首吊り自殺を遂げたというのだが…。

感想

隣室に生活感は全くなくて、真っ暗なんだけど首吊りは見て取れるし、喘ぎ声の正体が同時に映るのも不気味さをアップさせてて秀逸。ただ、竹下さんは髪が伸びててもあんなに女声は出せないと思うんだけども。。。

 

 

六十六 前編

レベル 4.0 / 5

内容

映像制作会社に勤務する赤津さんに送られてきた映像には奇妙な事象が発生していた。

赤津さんの先輩である城崎さんと言う人が現在失踪中であり、城崎さんが失踪する前に送ってきた映像。

自身の誕生日を祝う映像の中に、城崎さんの頭部のみに不可解なノイズが生じる。また、部屋を暗くし、蝋燭に火をつける際に城崎さんの背後に無数の僧と思しき人影が浮かび上がる。

城崎さんが以前勤めていた映像制作会社「シネワイヅ」を掘り下げると、既に倒産しており、なんでも社長の皆川さんが自殺してしまったのだという。

しかも社長の自殺の後からシネワイヅの元社員に次々不幸が訪れていることが判明した。

 

  • 社長・皆川泰知さん → 自殺
  • ディレクター・城崎将さん → 失踪
  • ディレクター・今岡忠さん → 失踪
  • AD・羽山晃久さん → 長期入院
  • 経理・玉井元弘さん → 事故死

 

また、倒産前、皆川社長の家が全焼する火事があり、長男を亡くしてしまうのだが、経営難に陥っていたシネワイヅとしてはタイミングの良さから保険金目当てではないかという噂が出ていたという。

また、シネワイヅの関係者から、倒産前に社員がとある沼で心霊映像を撮影してしまい、その沼には「六部殺し」の言い伝えがあった。シネワイヅは倒産前、この六部殺しを題材にした心霊ビデオの制作に取り組んでいたという。

奇しくも後に、皆川社長はその沼で自殺してしまったというのだが…。

 

六部殺しとは、

六部とは、六十六部の略で、六十六回写経した法華経を持って六十六箇所の霊場をめぐり、一部ずつ奉納して回る巡礼僧のこと。

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ある村の貧しい百姓家に六部がやって来て一夜の宿を請う。その家の夫婦は親切に六部を迎え入れ、もてなした。その夜、六部の荷物の中に大金の路銀が入っているのを目撃した百姓は、どうしてもその金が欲しくてたまらなくなる。そして、とうとう六部を謀殺して亡骸を処分し、金を奪った。

その後、百姓は奪った金を元手に商売を始める・田畑を担保に取って高利貸しをする等、何らかの方法で急速に裕福になる。夫婦の間に子供も生まれた。ところが、生まれた子供はいくつになっても口が利けなかった。そんなある日、夜中に子供が目を覚まし、むずがっていた。小便がしたいのかと思った父親は便所へ連れて行く。きれいな月夜、もしくは月の出ない晩、あるいは雨降りの夜など、ちょうどかつて六部を殺した時と同じような天候だった。すると突然、子供が初めて口を開き、「お前に殺されたのもこんな晩だったな」と言ってあの六部の顔つきに変わっていた。

という各地に伝わる伝承である。

しかし、この「六部殺し」は予期せず儲けた家に対する村人たちの妬みや嫉妬心が蔓延し、六部殺しという体で栄えた家を奇襲するという使われ方もしていたという。

だが、この話と皆川社長の不運な火災、それにより予期しなかった多額の保険金がおりた事などは共通点が多く暗雲が立ち込め始める。〈続く〉

感想

ほん呪のメインエピソードでも、日本の伝承や因習にスポットを当てる話は好きです。後半は怒涛の展開なので感想は後ほど述べます。

 

 

残留物

レベル 3.3 / 5

内容

投稿者が仲間と自主映画のロケハンで訪れた廃墟のラブホテルで撮影された映像。

荒廃したホテルの一室に衣類が干されており、人が住んでいる気配を感じとる投稿者たち。カメラが仲間の1人を映すと背後に逆さに干されてある衣類から逆さになった女性と思しき姿が映っていた。

感想

けっこうハッキリ映っているのに対して撮影者たちが全く気付いてないのがリアルで、最初は何がなんだか全く気づかなかったw。ぶらんと垂れ下がった女の姿は漫画「カメレオン」の松岡英治が三島にノックアウトされて電車の吊り革で宙吊りになったシーンを思い出した。

 

 

シリーズ監視カメラ パチンコ

レベル 1.3 / 5

内容

関東近県にある廃墟のパチンコ店に設置された監視カメラ。

侵入者などが居た場合自動で作動し、警備会社に通告がいくシステムなのだが、この廃墟では誰もいないにもかかわらず防犯システムが作動しているという。

警備員が後ろからパチ屋の廊下を歩いてくると背後に女の影がついてきている。よく見ると赤ん坊を抱いている。

このパチ屋が現役の頃、前の国道で家族の死傷事故があり、血まみれの女性がこのパチ屋に助けを求めてきたという話があるという。

感想

これ、茨城県の廃パチンコ店かな?


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↑左が監視カメラ映像、右が茨城の廃パチ屋

佇まいは不気味だけどインパクトは皆無…。

 

 

樹海

レベル 4.4 / 5

内容

自主ホラードキュメント紛いのYoutuber(?)的な香ばしい感じの女性が山梨の青木ヶ原を散策している映像。

所々遺留品などを映すカメラマン。途中、何も無い遊歩道で女リポーター紛いが転倒すると、地面に女の顔が突き出ており、眼をギョロっと動かしていた。

近隣住民の話によると青木ヶ原には「あゆみさん」という都市伝説があり、樹海の何も無い場所で転ぶのは「あゆみさん」の所業である、という。

感想

これは割りと怖い。目が動く感じが気持ち悪いし、樹海という場所や遺留品、自殺を思いとどまらせる看板が生々しい。

このリポートはお世辞でも良いとは思えないけど。

 

 

六十六 後編

レベル 4.2 / 5

内容

シネワイヅが入居していたテナントビルを調べると、管理人室に処分出来ていないシネワイヅの資料やVHS、ミニDVテープなどが段ボールにそれぞれまとめられていた。

管理人の森さんはこれらに頭を悩ませており、スタッフに返却不要でこれらをあげた。

後にビデオテープや資料を調べると、問題の沼で撮影された例の心霊映像が収められたテープを見つける。それは男性がキャンプをしている映像であった。

川居が見つけたシネワイヅが作成した資料には、

DVD企画 裏史実・六部殺し(仮) ~呪われた沼を探して~

と書かれていた。

この沼に纏わる六部殺しには2パターンあり、

  1. 六部が誤って沼へ転落して死亡。
  2. 盲目の六部が村人に道を尋ねるが、村人が嘘をつき沼へ誘導し他殺

というものであった。

そしてスタッフはこの沼を調べ、現地へ調査しに行く事に。

林道を進み、険しい山道を進むと、沼とは名ばかりな大きな凹みの中に水が溜まっている場所があった。

そこには花束が添えられており、恐らく皆川社長の関係者がたむけた物かと思われる。

沼の湖畔に定点カメラを設置し、一晩モニターを監視するスタッフ。

途中、スタッフ・今野が車に替えのバッテリーを取りに行く。その際、トランシーバーでやり取りをしていたが、なぜか勝手に受信を始めたり、別の人物のような声が聞こえてくる。

戻ってきた今野にスタッフ・山下はトランシーバーのチャンネルを2に変更するように言う。

しかしそのまた数時間後、今野がトイレに行ったっきりなかなか戻って来ない事に胸騒ぎを感じたスタッフは川居には待機してもらい、菊池と山下で今野を探しに行く。

しばらく歩き、今野と思しき人影を見つける山下。

菊池がカメラを向けると今野は沼へ入水しようとしていた。

おい!何してんの?!

何やってんだよぉ?!??!

と今野へ呼びかけるものの、まるで届いていないようで今野は沼の中へと進んでいく。

何で沈んでんだよ!!?

騒ぎを聞きつけた川居が防水パンツを着用し登場。川居はいてもたってもいられず沼へ進む今野を追う形で沼へ入り、今野を掴む。

そこへ山下が大きめの枝を持ってきて川居に向けて枝を掴むように指示。菊池もカメラを片手に枝を引っ張ってようやく救助した。

これ以上の調査は難しいと判断し、今野を病院へ連れて行ったところ、39.6度の熱があり、入院し自宅で療養が必要となった。

後日、製作委員会に差出人不明の手紙が届いた。

その手紙はシネワイヅ・皆川社長の自殺に関する告発文であり、その内容は、

 

昨年の二月に皆川さんの自宅が火災に遭い、

息子を亡くした彼は精神を病んだ。

会社は経営難であったが、息子が死亡した際の

保険金などもあり、経営は次第に好転していったという。

そんな中、城崎さんの同期であるディレクター・今岡さんが

社員たちを扇動し、シネワイヅから六人の同時退社を引き起こす。

今岡さんは皆川さんのかつての同僚であった。

今岡さんは以前の会社をリストラされており、

助ける意味もあって、皆川さんが自分の会社に入社させていた。

ところがそんな今岡さんが中心となって、目をかけていた社員たちを

扇動し、会社から離れていった事態に皆川さんは失意のどん底においやられた。

結果的に会社は倒産。

その後は、皆川さんは一日中、自宅に籠り、

般若心経を唱えていたという。

それから皆川さんは問題の沼で自殺してしまった。

 

後にスタッフは入院中の今野を除く面子で再度問題の沼に出向き、花をたむけた。

感想

沼ってぬかるんでるから蟻地獄みたくもがくほど沈んでいくんですよね…。今野が1人でに沼へ入水するシーンはリアルに寒気がしましたよ。

つーか、今岡、こいつ鬼か?救ってくれた皆川社長を裏切って内ゲバ起こすとか心無さすぎるぜ!そりゃ精神も病むよね。

異変を察知した川居がなぜか防水パンt…、いや、なんでもないです。

あと今野が最後の1人になっていたかもしれないっていう推論もできる(六部殺しなのに被害が出ているのはシネワイヅの5人)ので、直接触れられていませんが、よく出来た、面白いストーリーだと思います。

 

 

まとめ

こうして見ると個人的な評価は割と高い作品が多かったと思いますね。見た直後は面白かった程度で終わっていても、後から書き出すと意外とよく出来ていた、って感じなのかな。

 

 

あとがき

コロナウイルス対策で自宅に篭ってる方はこの機会に配信とかレンタルで沢山の名作を見てほしいと思います。

最近はもっぱらアニメばかり観てますが、捨てたもんじゃ無いなぁと感心させられます。呪いのビデオも良いけど、感動できる作品と出会う方がもっと良いと思います!(失礼)

あれ、コロナについて書こうとおもったらアニメの話になってたし。

 

また次巻のレビューで。