前回に引き続き、59巻のレビューです。
本巻でメインエピソード『邪心』が完結します。
ではいきます。
現場
レベル 3.8 / 5
内容
投稿者が転勤が決まった友人と飲んだ帰りに何気なく撮影していた映像である。
コンビニで追いビールを買い、酔っているせいか上機嫌な2人。
あるマンションの横を通った時、そこに花束が置かれている事に気づく。
友人がふざけて花束の隣で缶ビールを飲む。
すると「みないで…」という女の声が聞こえてくる。
更に、投稿者が花束を映したとき、横に血塗れの女の顔が映り込んでいた。
感想
女の顔が損傷している感じが、ナレーションにもある通り、このマンションで過去に起こった凄惨な飛び降り自殺を彷彿とさせてリアルです。
「みないで」という声も悲哀や憎悪を感じさせるようなトーン。
あまり怖いとは思いませんが、掴みはバッチリです。
人形
レベル 4.7 / 5
内容
投稿者が単身赴任中の夫に向け、娘を撮影したホームムービー。
その中にあり得ない事象が発生していた。
スタッフは投稿者の前原さんへインタビューをする。
途中、娘は人形を持ってくるのであるが、この人形は夫の母(投稿者からすると姑になるのか?)の物であり、趣味の骨董品の1つだという。
それを娘が持ち帰って来てからというのも、異常なほど人形に執着しており、処分の話になった際は号泣される程であったらしい。
ある日、知り合いの住職に「(人形を)供養した方が良い」と言われ、人形供養の神社を紹介してもらい、供養してもらったという。
問題の映像は前原娘が人形と対面で話しかけている際、人形の顔がカメラに向かって振り返る。
驚いた前原さんはカメラを逸らしてしまうが、再度人形を確認すると、元通りに戻っていた。
感想
人形が振り向くというのはまぁ有り得ない(そりゃそうだ)んだけど、これはグルっと睨むように振り返るのでめちゃくちゃ怖いです。リアルに声出しちゃった。
その人形というのもやや子供向け?な市松人形といった感じでそもそもが怖いよね。無機質な表情が尚更拍車をかけてます。
なんで人形って恐怖感を煽るんだろうね。人が小さくなっただけなのに…。
大雪
レベル 3.1 / 5
内容
2014年2月。関東を中心に豪雪が記録された日。
都内在住の投稿者は一晩、銀世界に染まった街並みを歩き、撮影していた。
雪空でやや明るい夜空、車体に積もった雪など、雪国のような世界が広がる中、ふと家の軒先にかまくらが造られている事に気づき、かまくらの周りを撮影する。
するとかまくらの穴の中から人間の顔のようなものが覗き、その顔はどこか笑っているような表情であった。
感想
ハッキリ映ってるわけじゃなく、ガチっぽい感じはあります。まぁ詳しくはないけど。
2014年から2016年くらいにかけて、よくドカ雪が降り積もってたなぁと。
(2016年1月 • 筆者撮影)
にしても今季は全く雪が降りませんでしたね。それどころか暖かいし。
一番厄介なのは風です。雪が降れば少しは寒さも和らぐんですが、仙台みたいな風の街だと切れるような冷たい風が吹き抜けるので頭に来ます。
邪心 後編
レベル 4.3 / 5
内容
死神に指定された公園に向かうためのプランを考え、結局増本が1人で待ち合わせる事となった。
指定された時間を30分ほど過ぎた頃、増本に死神から電話がかかり、公園の奥へ誘導される。
増本のサブカメラには項垂れた女性が待ち構えており、倒れ込むように「観ると不幸になる映像」を渡す。
しかし増本がしくじって『呪いのビデオ製作委員会の増本と申します、あ、あの、取材…』と単刀直入に言った事が引き金となってしまい『返せ!返せ!』と暴れ出し増本を突き飛ばし、逃げてしまう。
待機組の菊池と森澤は追いかけたものの見失ってしまった。
なんとか例の映像は死守した増本。
スタッフルームに戻り映像を確認すると、森の中に女と思しき女が立っている映像が映し出される。
また、隠し撮りした死神の姿について谷岡さんは、相原さんという同級生に似ていると指摘。
相原さんは倉本さんの友達であったといい、倉本さんが不登校になってからはイジメのターゲットは相原さんへ変わってしまったのだという。
また、倉本さんの近況について谷岡さんが調べたところによると去年自殺で亡くなっている事が判明した。
新聞によると、関東近郊の山間部に停まっている車の中で女性2人が練炭自殺を図り、うち1人(倉本さん)が死亡したという。
「死神」とは相原さんであると仮定して、何故彼女は復讐を代行しているのか。
ここで相原さんから貰った観ると不幸になるビデオが公開される。
警告
これからご覧いただく映像は
非常に危険な為、心身に深刻な
悪影響を及ぼす可能性があります。
影響されやすい方や
気の進まない方は
ご覧になるのは控えて下さい。
という警告文の後に10秒のカウントが入り、映像が公開される。
森の中に不気味な女性の姿があり、男女の声が入っている。すると画面にモヤがかかるのだが、よく見てみるとそれは苦悶の表情を浮かべた女性の顔であった。
映像より
感想
ここへ来て相原さんというキーマンが登場しました。
にしても、森澤も菊池も増本君に色々やらせ過ぎでは?森澤なんて極道顔負けな顔つきしてるし、そういうシークエンスであっても観てる側からするとお前何様だよ?と思うんだけどね。あと川居も口出しばっかで行動しないのもフェアじゃないかなと。
森澤も川居も、実力あるんだしもっと活躍させてあげても良いと思うんですがね…。
菊池政権、どうした。
肝心の映像はやや不気味です。警告文がカウントされるほど怖い訳ではないんだけど不安になる感じ。
次、完結です。
シリーズ監視カメラ 介護
レベル 4.0 / 5
内容
投稿者の父親は軽度の認知症と糖尿病を併発しており現在介護中である。そのため、投稿者は職場から父の様子を確認できるように、ネットワークカメラを設置したという。
父親がベッドインし、消灯する。
暫くすると部屋の電気が明滅を開始する。
暗くなったり明るくなったりを繰り返すうちに、部屋奥の襖が開き、黒い喪服のようなものを着た女が父親に近づいていく。
父の側に近づき、寝顔を覗くようにする女。
次の明滅で女は消えるのだが、父親が発作を起こし容体が悪化してしまう。
幸い、一命は取り留めたという。
感想
徐々に迫り来る感じがめちゃくちゃ怖いです。
喪服というより、黒い和装のような感じで、ただならぬ感じがします。まるでホラー映画の一幕みたいな。
「シリ監」の中でもトップクラスに怖い映像かと思います(64の「覗き穴」、45の「セレクトショップ」と並ぶくらい)。
海水浴
レベル 1.7 / 5
内容
およそ20年前にとある海水浴場で撮影されたホームムービー。
客で賑わう海水浴場の砂浜から半透明の男の首が出ている。
投稿者によるとこの地域にはかつて、台風や荒波が続くと神に差し出すものとして罪人の首が流されたという言い伝えがあるという。
感想
若者達で賑わう海水浴場に武将のような顔つきの男の首だけあるのは割とシュールな絵面かと。
怖い映像ではないと思います。少し不気味くらい。
テープ
レベル 4.2 / 5(エロさで言えば100満点)
内容
投稿者が友人達と地元の潰れた廃キャンプ場に肝試しに行った際、他の友人にも見せるために撮影していた映像。
キャンプ場の管理室と思われる部屋の風呂場を探索する投稿者たち。廃れ汚くなった浴槽の中にひどく損傷した半透明の女性がおり、こちらを見る。
投稿者は慌てて逃げ出してしまうのだが、もう一つ、気になる事案があるのだという。
散乱した管理室の残留物の中にカセットテープが落ちており、そのカセットを持ち帰って聴いたという友人・宮本さんはカセットを聴いた直後に原因不明の高熱を出し、病院へ行ったという。
また、カセットを聴いている時、部屋のテレビが勝手についたり消えたりとポルターガイストのような現象が起きたという。
そのテープにはエロ不気味な音声が収録されていた。
『やめて…!』『あつい… アッ... アッアァァァーー!!!!!』
という女性の命乞いのような叫び、
『泣かないで…』『大丈夫だよ…』
という男性の低く落ち着いた声。
最後は女性の断末魔が聴こえ、音声は途絶えてしまう。
まさか、このテープが録音された場所が浴槽であり、声の女性は拷問の末に死亡してしまった、とでもいうのだろうか?
感想
いろんな意味で最強な映像きましたね。
しかも音声と映像のダブルパンチですからね。
風呂場で過去に何があったのか、、、容易に想像できます。スナッフフィルムの音声版みたいな、想像を絶するものです。ヤバい。
女性の悲鳴が徐々に聞こえなくなったり、対照的に落ち着いて宥める(?)男の声がまるでオーガズム。
AV女優と男優の掛け合いみたいな。
凄く興奮して☆起したのはここだけの話です。
続・邪心 後編
レベル -
内容
倉本さんの兄・徹さんへ取材をするスタッフ。
徹さんによると相原さんは学校を卒業した後も倉本さんを気にかけており、家に来てくれていたという。
また2人でレンタカーを借り、神奈川の山奥で練炭を使い自殺を決行し、倉本さんが死亡、相原さんは生き残ってしまったという事実も明らかになる。
その後、相原さんは精神病院に入院させられたが、2,3ヶ月前に病院を脱走し現在でも行方不明のままであるという。
相原さんは高校に進学してもイジメを受け、状況が変わる事はなく、倉本さんと自殺を図ったのではないかと思われる。
で、結局相原さんは死ぬ前の倉本さんの映像を撮影し、イジメグループ(清水さんら)に送りつけたのではないか。
それに倉本さんの何かしらの怨念がこもり、イジメグループを次々不幸に陥れたのではなかろうか。
それを確信した相原さんは倉本さんのあだ名、死神を名乗り復讐を代行するようになったのではないか?
それにより前編では浮気を疑われた赤木さん、後輩への配慮が足りず恨まれた新庄さんに行き渡り、2人は死亡したり失踪してしまったのではないか?
後日、スタッフが復讐サイトを確認すると、死神が復讐に力を貸すという旨の書き込みが確認された。
また、増本が隠しカメラで撮影した死神(相原さん)の映像に異変が起きていた。
それは相原さんの背後に当初は居なかった筈である倉本さんらしき女の姿があった。
相原さんの復讐への執着は倉本さんの霊に取り憑かれている、とでもいうのだろうか…?
感想
これは最後の最後にミスが目立ってて最悪ですよ。
評価にも値しない、ダメダメなストーリーで時間返せよとも思う程であります。
まず、端折って書いたけど、スタッフが赤木さんの旦那に再度会いに行ってドンパチするシーンで、夫の誠さんの名前の上のテロップに「赤木千香子さんの旦那」と書かれていますが、赤木千香子なんて出てきましたっけ?
誠さんの妻の名前は赤木美穂さんじゃなかったんですか?あれれ?どっちがどっちなの?俺は覚えているぞ?確かに赤木美穂さんだったと。
これ、プロットミスですよ。
ここまで長編にしておいてそれはねぇだろうよ。
投稿映像が怖くてドキュメンタリーが不発に終わるって、色々と問題な気もしますけどね。
まとめ
『人形』『シリーズ監視カメラ 介護』『テープ』が秀逸でした。邪心はこれにて完結ですが、なんとも歯切れの悪い、噛みきれないような結末でがっかりしました。本当。
ではまた!