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呪いのビデオシリーズのレビュー・考察など

呪いのビデオ Part 76 レビュー【消えた友人と東急ハンズ】

新年最初のレビューはディレクターが川居尚美となり新体制を迎えた76巻。岩澤も菊池もいないけどゴールデントリオの紅一点・川居がいるだけでも何処かほっとするというか。

因みに現在も川居が監督を務めています。

 

ではいきましょう…。

 

• インディアン水車

レベル 1.9 / 5

内容

投稿者が北海道を旅行した際、インディアン水車公園にて撮影されたものである。インディアン水車とは鮭を捕獲する装置であるという。水車脇はガラス越しに中の鮭が水族館のように見える設計となっており、水槽にカメラを近づけて沢山の鮭を撮影する投稿者。しかしその中に腐乱した男性の頭のようなものが近づいてくる。

近年、この地域では山の管理が行き届かず、里へ下りてきたヒグマに人間が襲われるという事件が多発しているという。

感想

リアル・シーマンですか。インディアン水車とヒグマの事件、関連性は皆無かと思うけど北海道という土地柄を活かした作品かと言える、かと。

Indians

Indians



孤独死

レベル 3.7 / 5

内容

投稿者の友人はインディーズのレーベルからデビューする際にお祝いも兼ねて自宅で飲み会を開いた際に社会人になったらなかなか会う機会もなくなるので、記念に撮影した映像であるという。

途中、投稿者がある異変に気づき、向かいのアパートのすりガラスをズームする。すると男性と思しき影がこちらへ向かって助けを求めているかのように蠢いていた。慄いた投稿者は一瞬自宅側の窓の縁を映すと逆さにこちらへ入ろうとしている老人の姿が映っていた。

スタッフが調べたところ、向かいのアパートでは数ヶ月前に老人男性が孤独死していたという。それからそのアパートでは怪現象が多発し廃墟となったのだという。

感想

まず、インタビューいります?という本音は置いとき、男性がガラス越しに助けを求めるシーンはサスペンスドラマみたいでリアルな恐怖を感じます。霊なのか覗き魔なのか監禁されてる人なのか分からないからです。少なくとも筆者は生きている人間に見えて結構迫力がありました。

孤独に死す、故に孤独…



• 雪道

レベル 3.5 / 5

内容

近畿地方へ転勤した投稿者が例を見ない大雪に見舞われ、雪道を気をつけながら撮影したもの。この時投稿者は同僚の女性を送っている最中でもあるのだが、女性を降ろす際、電柱の後ろに大雪にも関わらず半袖姿の血まみれの男性が立っている。更に助手席の女性を映すと助手席の下から女性を覗くような血まみれ男性の顔が。電柱のそれと同一人物とも見て取れるのだが…。

投稿者はこの時、車内に異様なガソリン臭が漂っていたという。後の調べではこの女性の婚約者であった男性が山から転落死しており、男性は生前「彼女に裏切られた」と洩らしていたというのだが…。

感想

映像よりも気になる点があります。投稿者は車を運転しながらスマホで外の景色を撮影しているわけですよ。しかし途中ハンドルを持つ左手が煙草を持っていて…、これ普通に危なくない?腕何本あるんだよ…。問題の男性は目の周りが黒く、ヴィジュアル系な感じがしました。

 

 

• 誰がために 前編

レベル 2.0 / 5

内容

4年ほど前に撮影された映像に異変が起きていると投稿があった。それはカラオケボックスで男女の高校生たちがカラオケを楽しんでいる映像である。

投稿者は稲羽さん宇陀さんの2人。

この2人は映像に映っている友人が結婚するので、その記念のDVD作成の為、昔のビデオ映像などを編集しようとこの映像を確認していた際に気づいたという。

結婚予定のカップルは映像に映る仲居さん鈴木さん

彼らが映るこのカラオケの映像の中に映る友人の樋口さんの姿が一瞬消える。樋口さんは病気により他界している。稲羽さんと宇陀さんは卒業後、樋口さんと連絡を取っていなかったようである。

樋口さんは動画で消えてしまい亡くなった。自分らにも何かしら不幸が起こる事を危惧している様子の稲羽さんと宇陀さん。その為、川居が話を聞き出すも彼女らはまず、自分たちのお祓いをして欲しいという要望であった。さらに結婚予定の仲居さんと鈴木さんにも悪い影響があるのではないかという事で、早急にお祓いをしたい様子が伺える。

さらにこの映像に映る福田さんと連絡が取れないという。

お祓いを急ぐ稲羽さんと宇陀さんとの取材は難航したが、兎に角今急ぐべきなのは福田さんの安否の確認である。

福田さんは実家で病気の療養中であるという。実家へ向かうスタッフだが、やはり取材は出来る状況ではなく、今回の件について手紙を投函した。

その後、映像に更に気になる点があるのを発見した。

それは樋口さんが消えたシーンの付近、隣に座る福田さんの背後に手が現れ福田さんを指差している。

f:id:ktyarin:20200106190343p:imageまるで東急ハンズのロゴである(違う)

それに福田さんが大塚愛を歌っている最中、福田さんの背後に不気味な女の影が映り込んでいた。

映像が徐々に変わる事象を目の当たりにしたスタッフは一度、稲羽さんと宇陀さんをお祓いに向かわせることにする。〈続く〉

感想

本格的な感想が書きづらいので後半に書きたいと思います。

 

 

• 彷徨う

レベル 2.0 / 5

内容

とある雑居ビルのスタジオに設置された監視カメラの映像。演劇の稽古をしているシーンが映し出されている。1人の役者が気をおかしくし挙句感電するシーンで照明が点滅するスタジオ。するとステージ奥に右から左へと移動する女性の影が映る。次に映った時はステージ奥左側で首を吊っている姿が映る。

投稿者によると数年前、劇場が入っている雑居ビル内のスナックを経営していた女性が自宅近くの山林で自殺をしていたという。それからこのビルでは漏電でボヤ騒ぎがあったり原因不明の事故が頻繁に発生しているというのだが…。

感想

恐らく76巻における「シリーズ監視カメラ」なポジションかな、と。こういう映像は腐るほどあるのでインパクトはさほど無い、というのが正直な感想。不気味な映像だとは思うけど…。

 

 

• 温泉旅行

レベル 4.0 / 5

内容

投稿者が彼女と年末に海沿いの温泉へ旅行した際、客室で撮影された映像。彼女は客室から見える海辺に知人女性がいたと言い投稿者と口論になっている。たしかに海辺に人は居ないのであるが…。

彼女が痺れを切らし窓辺に来た際、彼女の後ろから女性がついて来ていた。その顔は爛れているようにも見えるのだが…。

ちなみに彼女が見たという知人女性は彼女の職場の後輩であり一年前に自殺しているのだという。彼女は指導係として勤務していたのだが、仕事のストレスで首を吊ってしまったらしい。

感想

知人女性というのは投稿者の恋人よりも年上に見える。けれど仕事となれば年齢関係なくどちらが先輩かとなるので恋人が指導係で厳しく教えていたのかもしれないし、それが引き金となって自殺してしまっているのであれば恋人に怨念があるのも頷けるなぁと。がっつり後ろにいるので結構怖い部類に入るかと思います。

 

 

• 料理

レベル 2.6 / 5

内容

投稿者が遠距離恋愛中の彼氏にWebカメラを使い好物の野菜炒めを作りながら紹介している映像であるが、調理中に画面が乱れ始め、投稿者がカメラからズレた際に後ろの壁から人間が出てくるように映り込んでいる。ちなみに投稿者はその後行方不明となり、撮影されたマンションも解約しているという事であるというが…。

感想

壁から出てくる人はTHE CUREロバート・スミスに見えました。

f:id:ktyarin:20200106200902j:image

Webカメラって決して画質も音質も良くないので恐怖心を煽りますね…。

 

• 誰がために 後編

レベル 2.8 / 5

内容

投稿映像に映る飯嶋さん加藤さんに取材を試みるスタッフ。

彼ら曰く鈴木さんと樋口さんは高校生の頃付き合っていたという。しかし卒業間近に別れてしまった、とのこと。鈴木さんと樋口さんは高校1年生の頃から両想いであり仲睦まじく、結婚しそうな程であったため、別れた時は皆驚いていたという。

彼ら曰く仲居さんは高嶺の花といった感じで大人びた雰囲気であったという。しかし、仲居さんと鈴木さんの関係が樋口さんと別れる原因ではなかったようである。

その後、樋口さんの親友であり療養中の福田さんから連絡が入り、取材をする事になった。

福田さんは衝撃の事実をスタッフに語った。

樋口さんと福田さんは席が近かったこともあり親友同士であったが樋口さんはグループ内で虐められていたという。樋口さんは鈴木さんと付き合っていたが、他に鈴木さんを好きな女性がおり、それがきっかけとなり樋口さんと鈴木さんを別れさせるという動きがあり、その作戦を練るLINEのグループが結成されたという。

鈴木さんを好きな同級生の為に樋口さんに関するありもしない噂を流したという。それが原因で2人は破局してしまったらしい。

さらに福田さんはそのグループの主犯が投稿者である稲羽さんと宇陀さんであると明かす。

福田さんはその後に鈴木さんと仲居さんが付き合った事を樋口さんは知らなかったと話す。その為、仲居さんと鈴木さんから結婚式の招待状が樋口さんの元へ届いた際に初めて知ったという。その時期に樋口さんから福田さんへ怨みのメールが届いたのだという。

その最後には

『私がいなくなったら… 次は誰かな』

と綴られていた。

そして病死したと思われていた樋口さんは実は自殺であったことも明かされる。仲居さんと鈴木さんの結婚式の招待状が届いたことで、高校時代に陰で受けていた周囲の行動に気づいてしまったということであった。

また、投稿映像も福田さんは既に知っており、自分を差す指や背後の影は樋口さんではないかと怯えていたという。

その後スタッフは樋口さんの母へインタビューを行い、彼女が生前使っていたスマートフォンを預かり、次に仲居さんと鈴木さんの家へと訪れた。

鈴木さんは当時、確かに樋口さんが鈴木さんに悪口を言っているという噂を聞いたという。それで樋口さんと話し合ったことがあったという。また樋口さんも逆に鈴木さんが自分の悪口を言っている噂を聞いていたと言うことが分かった。

樋口さんは一度でも鈴木さんに対して疑いの目で見てしまった自分が許せずに別れるという運びになったという。

仲居さんは今現在鈴木さんと付き合っていることを樋口さんも知っていると感じていたため悪意などはなく招待状を送ってしまった、とのことであった。

この取材で仲居さんの為に2人が別れるように仕向けられた訳ではないことが判った。

 

という事は、誰が何のためにこのような2人の関係を壊すような行動に出たのか?という疑問が残る。

スタッフは再度稲羽さんと宇陀さんを呼び出し、真相を探ることにする。しかし福田さんから聞いた話と稲羽&宇陀コンビの意見は食い違っていた。稲羽&宇陀コンビは別れさせるLINEグループに心当たりが無いという。

するとそこに福田さんが現れ、徐々に修羅場のような、一触即発な雰囲気となる。LINEのグループに関してシラを切る稲羽&宇陀コンビに『とぼけないでよ』という福田さんの意見や真逆に食い違う稲羽&宇陀コンビの主張。

そこへ問題児スタッフ・大塚が感情的になり『申し訳ないとかそういう気持ちはないんすか?!』と首を突っ込むが会話から追いやられる始末。

そこに川居がLINEのグループを作った人がどうあれ樋口さんがグループがきっかけで自殺しているという事実を改めて語る。

彼女らの会話から真相は見えなかった。

彼女達は自覚も無く、ただ周りに合わせていただけであったのである。そして彼女たちもまた、コミュニケーションツールの強調性と無関心ゆえ巻き込まれた「被害者」と言える。

 

ここで一旦解決したかと思われたのだが、樋口さんのスマートフォンから情報を収集していたスタッフ・山本屋が樋口さんと福田さんのやり取りを見て気づいたことがあると言い出す。

それは福田さんが樋口さんに対して "鈴木さんと関係を修復できるかもしれない" ということを匂わすメッセージを送っていた事である。福田さんは鈴木さんを疑ってしまった自分には鈴木さんと付き合う資格など無いという樋口さんに応援する趣旨のメッセージを複数送っていた。それは樋口さんが高校を卒業して就職をしても送られてきていた。

福田さんは鈴木さんと別れた樋口さんを心配していた周りの友人達からフォローするという形で頼まれていたという事であった。その中には仲居さんも居たのだという。

従わないといけない、と感じての行為だったというが、結果的に親友を騙してしまった事に後悔する福田さん。福田さんは誰の為でもなく、4年間も樋口さんを騙していた。

それは親友を想う気持ち以上に、自分が従わなければ標的にされてしまうという恐怖から来ていた。

また福田さんは周りの人物に対して『怨んでいます』と言い終わる。

 

しかし投稿映像にはまた変化が起きており、樋口さんは当初福田さんを指差していたが、映像の後半、

宇陀さん→仲居さん→加藤さん→飯嶋さん

と順に指を指していた。そして最後に指を指していたのは稲羽さんであった。

感想

心理学のようなストーリーだなぁと思って見てました。誰かが興味本位で始めた事が、本当に些細なきっかけがこのような人間関係のもつれを生む。それは画面の向こうで顔色も見ずに済む現代社会だからこその問題でもあって、"従わなければならない" という心理状態を生み出してしまう–。非常に深い話でした。

 

 

まとめ

メインエピソードが伏線だらけ状態過多で頭がパンクしそう。でも見応えはあったと思います。女のドロドロした世界も垣間見れて、現代の悩める学生たちには警鐘とも取れるというか、一種の社会風刺にも感じられました。素晴らしい。

 

では次巻!