本作から寺内監督となり非常に見やすくなってます。また、福田氏とダブルで構成していく事になります。
本当に簡潔に映像が紹介されててダルくなくて良いです。
いきましょうか。
タクシー
レベル 4.0 / 5
内容
投稿者の溝辺さんは都内で個人タクシーを運営している。
車内のドライブレコーダーとして記録用に保存しているカメラに不可解なものが映り込んだというのだ。
また、ドラレコの録画システムは以下の通り
・常時録画フォルダ・・・走行中の映像。 容量が一杯になったら自動で過去の映像に上書きされる。
・保存フォルダ・・・ 衝撃を感知した時 などの映像。 消去されない様に保護データとなる。
普段は常時録画フォルダにしてあると言うのだが、その日は上書き消去されていない映像フォルダがあったと言う。
深夜1時頃。タクシー車内のドラレコが録画を開始する。タクシーが高架のガード下のような場所を通過すると後部座席真ん中に座った女性が現れる。
表情までハッキリ分かるほどのものであり、顔が腫れていたり歪んだりしている。その顔は交通事故にでもあったのかのように…。
感想
登場シーンが自然すぎてなんか不気味というか、「あれ?!」ってなりましたよ。これは怖いね。
シルエット
レベル 3.6 / 5
内容
投稿者の三浦さんは彼女と飲み会の帰り終電を逃してしまい、彼女を自宅に泊めるために歩いて帰る風景をカメラで撮影していた。
カメラが進行方向を映した時、建設途中の建物から人影が落下する。思わずカメラを背ける三浦さん。しかし、彼女との間に少年と思しき姿を記録していた。
その後彼女は精神を病んでしまったというのだが…。
感想
未だかつて無いような映像で印象的なものかと。それより、霊に取り憑かれた(?)人が死ぬ or 精神的におかしくなるのはテンプレで飽きてきたよ。
シリーズ監視カメラ 老人
レベル 3.1 / 5
内容
ある戸建て住宅に設置された3面の監視カメラ映像。
ゴミ屋敷と化した家の中を映し出すカメラに突然大きな壁を叩くような音が連続して聞こえてくる。すると別カメラでは本が勝手に動く。すると今度は段ボールが落下する。
これに気づいた住人と思しき老人が部屋を確認しに来る。そして確認し、老人は去っていった。
他にも老人が去った後、女性と思しき影が浮かび上がる事象も発生していた。
そもそも、なぜこの屋敷に感想カメラが、増して3つも設置されているのか?
投稿者である長谷川さんはこの屋敷の解体の仕事をした際に、VHSテープが落ちており、大家さんに許可を得て持ち帰り、確認したのだという。
屋敷の家主の男性は現在失踪中であるという。
それよりも後日、建物の下から人骨が発見され、更にはカメラが設置された部屋に排泄物があったのだという。
一体この老人は寝室で用を足す、カメラを設置するほどの "何か" に怯えていたのだろうか?
感想
映像よりもストーリーが興味深いですよ。どこか白黒という感じのカメラの映像は何処から何が出てくるかわからない恐怖心を煽る感じはします。
瑕疵 前編
レベル 3.4 / 5
内容
投稿者は2000年に撮影されたホームムービーを投稿してきた。これにはある思いがあるという。
投稿者・仁さんは母子家庭で育っており、映像に映る当時6才の仁さんを抱く母・里美さん。里美さんはこの映像が撮影された2000年8月に謎の死を遂げてしまう。
そして彼は映像に映っている母の妹・麻里絵さんに引き取られて育ったという。
つまり、時系列に表すとこうである
2000年1月... 心霊投稿映像が撮影されたアパートへ越す。
" 3月... 仁さん誕生日、同月下旬に問題映像が撮影される。
" 8月... 里美さん死去。
仁さんはアパートに越してからこの8ヶ月間、様々な怪奇現象に見舞われたという。
映像ではアパートの隅に異様な影がこちらを見ていた。とてもこの世のものとは思えない風貌であり性別もハッキリ分かるほどではない。
このアパートに問題が、増して里美さんの死が関わっているのではないかと仁さんはいう。
早速アパートについて調べるが、問題のアパートは既に取り壊されており、不動産屋を伝い、物件を良く知る人物・Aさんへ取材する。
Aさんはアパートで事件や人が亡くなるという事は無かったといい、加えて『事故物件』ではなく『心理的瑕疵物件』と強く主張した。
心理的瑕疵物件とは事故物件というカテゴリの中でも、何となく住みたいとは思えないという(過去に自殺や殺人、火災などがあった等)心理的な要素がある物件の事で、人が死亡した部屋などがこれに該当する。
逆に物理的瑕疵物件というものもあり、これは雨漏りやシロアリ、土壌汚染などが原因の部屋が該当する。
ちなみにどちらをとっても事故物件であることには変わりないのである。
スタッフは仮の母・麻里絵さんが暮らす長野県へと向かい、取材をした。
生前の里美さんは働きながら仁さんを育てており心身共に疲れていた様子であったという。
また仁さんは里美さんの不倫相手との間に出来た子供であることが母子家庭になるきっかけでもあったという。
そしてスタッフは麻里絵さんから聞いた、生前の里美さんを良く知ってると思われる人物と接触を試みる。
感想
タイトル通り、「瑕疵」というワードがキーになってます。仁さんは後編で心が痛むような真実を知ってしまう、という興味をそそる予告も良いですね。
停電
レベル 3.5 / 5
内容
誕生日パーティーの様子を収めたホームムービー。
娘が蝋燭の火を吹き消すと突然、ブレーカーが落ちる。
電気が復旧すると向こうの玄関には髪の毛が逆立ち揺蕩っているような不気味な女と思しき影が立っていた。
後日、投稿者の身体には原因不明のミミズ腫れが出来ていたという。
感想
女(?)の影は髪がえらいことになってます。ヒトデみたいな?確かこういうGIFあったと思う。投稿者の「見ちゃった!見ちゃった!」というリアクションがリアルで良いな、と思いました。ミミズ腫れってのもリアリティがあって気味が悪い。
かくれんぼ
レベル 4.2 / 5
内容
投稿者の中里さんが祖母の七回忌で実家に集まった際にスマートフォンで撮影された映像。
この日は親族のいとこや子ども達も集まっており、子ども達に混ざってかくれんぼの鬼となる中里さん。
『もういいかい?』
と聞くと女の子の声で
『もういいよ』
と返ってくる。
探すため振り返るとそこには子ども以外の大人たちまで、いたはずの場所に居なくなっていた。
とりあえず子ども達を探す中里さんの前に女の子が少し姿を見せていたので追いかけるも居ない。
その前を横切る女の子。追って納屋の方へ曲がるがそこには誰もいない。すると納屋の中から子どもの顔が覗いている。納屋を開ける中里さん。しかし納屋の中には誰もいない…。
ただならぬ雰囲気を察した中里さんの元へ子ども達が駆け寄ってくる。
子どもたちは
『なんで「もういいよ」って言ってないのに、行っちゃうの~?』
と困惑気味であった。
しかし中里さんは確かに女の子の『もういいよ』という返答を聞いており、逃げる女の子を追っていたはずである。
なお、近くにいた大人たちは定位置から動いておらず、子ども達を探す中里さんを確かに見ていたが、挙動がややおかしかったという。
一体、中里さんが追いかけていた子は誰なのであろうか。
感想
かくれんぼ中にパラレルワールドに迷い込んでしまい、居るはずの無い子を追いかけていた、という摩訶不思議な映像で筆者的にはこの巻で1番素晴らしいコーナーだと思いました。
スマホの一人称視点の感じとか、得体の知れない女の子が顔を覗かせたりしていましたが、居ないとなると一体…、という不気味さが後から出てくるような感じがリアルでこちらまで異界へ行ってしまいそうな感覚すらする、興味深い映像です。
瑕疵 後編
レベル 3.7 / 5
内容
里美さんを良く知る人物、それはとあるスピリチュアルセミナーで一緒に活動していたBさん。
里美さんは当時彼氏からDVを受けており、更に、里美さんが亡くなる1ヶ月前、セミナーの代表が詐欺で逮捕されている。
セミナーでも信仰熱心だった里美さんは代表が詐欺で逮捕された事にショックを隠しきれなかったと言う。
仕事に育児、加えて彼氏の暴力、信じていたものを失ってしまった里美さんは疲労かショックで亡くなったのではないか、また、仁さんの家に現れた霊の存在は明らかにできない。
後日、Bさんの紹介でセミナー関係者のCさんと出会う。
Cさん曰くセミナーは発足当初とは違い、徐々に霊感商法へと傾いていったという。
また、代表は信者に嫌な相手を呪い殺す儀式を定期的に行っていたらしい。
つまり、このセミナーでは実践してもうまく行かない人間を会員から外れさせない為に、『不幸の原因』を別の人物に責任転嫁をさせていたことも判明した。
山の適当な廃墟を「霊場」と偽り、そこで一連の儀式をしており、当時Cさんは廃墟まで信者を運ぶドライバーとして動いていた。
そして彼は儀式を盗撮した映像があるとスタッフに告げ、二度とこういった詐欺事件が起こらないように、とスタッフへ映像を渡した。
一連の話を仁さんに告げたところ、その廃墟へ行って真実を確かめたいという仁さん。
後日、Cさんの案内で霊場として使われていた廃校を訪れる一行。
廃校には未だ儀式に使われた "呪い殺す相手" の所持品が山のように置かれていた。
そこで仁さんはあるものを見つける。
それは仁さんが2000年、6歳の誕生日に貰った仮面ライダーの玩具だった。
つまり、里美さんが呪い殺したいほど恨んでいた相手はDVの彼氏ではなく、息子の仁さんだったのである。
ここでCさんが提供した儀式の映像が流れる。
里美さんが前方の儀式を行う机へ行くと徐に仁さんの玩具を取り出して呪詛を言うと、
『骨と共に砕け散れ!』
『仁 死ね!』
と金槌で玩具を激しく叩き壊す里美さん。
その背後に顔面蒼白の目を見開いた男が現れる。
一体この男こそがアパートに現れた霊、とでも言うのだろか?
感想
いやわろた。
前述した『瑕疵』の意味が分かって頂けたかと思うんですけど、心理的瑕疵っていうのは物件じゃなく人間の心にあるって意味なんでしょうね。
にしてもちょっとした探究心がどえらいラストを迎えてしまって、仁が気の毒ではありますが…。
問題の男の顔ですが、
イギリスのゴシックロックの重鎮・THE SISTERS OF MERCYの名盤『Floodland』のジャケにそっと映る右側の男性の顔に似てるんですよね。
名曲なので是非。
まとめ
やっぱり見やすい寺内構成。
分かっているのに何回もリプレイされるのは結構嫌な気になる事もなくは無いので流石ですね。
今後も踏襲されていくのではないかと思います。
個人的には『かくれんぼ』がとても良かったですね。